報道実務家フォーラム 調査報道大賞スペシャル2025
調査報道大賞2025受賞作はこう取材・報道した
受賞8作品の担当者の話を聞き、議論
12月7日(日)早稲田大学 にて開催
開催情報
参加費:5,500円
※オンライン配信は予定していません。
※参加人数に上限を設けております。上限人数に達し次第申し込み受付を終了いたします。
政治・行政やビジネス界などの隠れた問題を記者独自の取材で明らかにする調査報道を励ます「調査報道大賞」に、ことしは9作品が選ばれました。受賞作のうち8作品の担当者にご登壇いただきます。選挙を巡るデマや誹謗中傷の検証報道をはじめ、地方の市民生活に直結するガソリン価格を巡る疑惑、国境の島の基地問題、冤罪事件——取材で直面した困難をどうやって乗り越え、報道に結びつけたのか。担当者と語り合える場です。
※調査報道大賞とは…すぐれた調査報道を顕彰し、その社会的意義を広めるとともに、現場で取り組む取材者を励ますため、報道実務家フォーラムとスローニュースが2021年に創設しました。
詳細:調査報道大賞2025 / 調査報道大賞2025 受賞作紹介
主催:特定非営利活動法人 報道実務家フォーラム・スローニュース株式会社・早稲田大学次世代ジャーナリズム・メディア研究所
申込受付を開始いたしました。
申し込みページよりお願い致します。
タイムテーブル
1つの時間枠内で2つの講座から選んでいただく形となります。なお、予定は変更される可能性があります
12月7日(日)
10:10 開場
| 会場A長野県石油商業組合「ガソリン価格カルテル疑惑」を巡る一連のスクープ (信濃毎日新聞社) |
| 会場B屋久島町政をめぐる一連の調査報道(屋久島ポスト) |
11:50 昼休憩(70分)
| 会場A兵庫県における公益通報や知事選、誹謗中傷等をめぐる調査報道 (TBSテレビ『報道特集』) |
| 会場B教員性犯罪公判 横浜市教委による傍聴阻止を明らかにした一連の報道 (共同通信・東京新聞) |
14:20 休憩(20分)
| 会場A企業版ふるさと納税の「寄付金還流」疑惑に関する一連の報道 (河北新報) |
| 会場BQAB報道特別番組「誰のために島を守る〜自衛隊配備 その先に〜」 (琉球朝日放送) |
16:00 休憩(20分)
| 会場A連載ルポ「追跡 公安捜査」など、警察庁長官狙撃事件と大川原化工機事件を巡る一連の報道 (毎日新聞) |
| 会場Bホームレスは、どこへ行った―岐阜の現場から― (岐阜新聞) |
17:40 終了
講座
大賞
兵庫県における公益通報や知事選、誹謗中傷等をめぐる調査報道 (TBSテレビ『報道特集』)
この作品の授賞理由困難が予想されるテーマを避けず、圧力に屈せず、取材を続けたことを高く評価する。デマがデマであることを明確にし、この時代に起きたことを記録した価値も大きい。

村瀬健介(むらせ・けんすけ)
『報道特集』キャスター
2001年TBS入社。報道局社会部で警視庁記者クラブ、司法記者クラブを担当。「News23」や「報道特集」のディレクターや、中東支局長として海外特派員を経験。2022年から「報道特集」でキャスターを務めている。

成田広樹(なりた・ひろき)
『報道特集』ディレクター
番組制作、報道局外信部、社会部国土交通省担当記者を経て、2023年4月から『報道特集』ディレクター。旧統一教会の問題や自民党派閥の裏金問題の調査報道キャンペーンなども担当。兵庫県問題をめぐる一連のキャンペーン報道では、遺族・県職員・県議などの現場取材に駆け回った。

塩田アダム(しおだ・あだむ)
報道局社会部記者
1998年生まれ。慶應義塾大学を卒業後、TBSテレビに入社。社会部、調査報道ユニット、『報道特集』などを担当。特殊詐欺など組織犯罪に関する調査報道を行ってきた。兵庫県問題をめぐる一連のキャンペーン報道では、デマや誹謗中傷の発信者に対する直接取材などを担当した。
※なお、「NHKスペシャル「冤罪の深層~警視庁公安部・内部音声の衝撃」(NHK)」も大賞を受賞しましたが、12月7日の登壇はありません。
優秀賞(全国紙・NHK部門)
連載ルポ「追跡 公安捜査」など、警察庁長官狙撃事件と大川原化工機事件を巡る一連の報道(毎日新聞)
この作品の推薦理由「警察庁長官狙撃事件」で新証言と膨大な捜査資料から「オウム犯行説」に固執した公安捜査の実態を明るみにし、「大川原化工機事件」でも独自ネタを連発した。二つの事件の取材過程を1人称形式の連載「追跡 公安捜査」にまとめた。公安捜査の問題を明るみにした調査報道として、高く評価できる。

遠藤浩二(えんどう・こうじ)
毎日新聞 社会部専門記者
1982年横浜市生まれ。2008年、毎日新聞入社。鳥取支局、大阪社会部、特別報道部を経て、21年から東京社会部。大阪社会部では大阪府警捜査1課、捜査2課、大阪地高裁を担当。特別報道部ではハイオクガソリン混合出荷などを取材。著書に警察庁長官狙撃事件と大川原化工機冤罪事件を追った『追跡 公安捜査』(毎日新聞出版)。高校時代に「SASUKE」に出場経験あり。座右の銘は「筋トレと夜回りは噓をつかない」
優秀賞(地方紙・専門紙部門)
企業版ふるさと納税の「寄付金還流」疑惑に関する一連の報道(河北新報)
この作品の推薦理由福島県国見町の地方創生事業を主に検証し、高規格救急車を購入して他自治体にリースする事業で、企業版ふるさと納税制度が悪用された事実を突き止めた。受託したコンサル社長の「行政機能をぶんどる」との音声も入手して報道するなど、行政と企業のモラルハザードを明らかにした。町議会は「便宜供与」を認定し、国も不正と判断。制度改正につながった。

横山 勲(よこやま・つとむ)
河北新報/編集部記者
1988年、青森県出身。河北新報社に入社後、報道部、盛岡総局、福島総局を経て現職。執筆に加わった連載「止まった刻 検証・大川小事故」は2018年度新聞協会賞受賞。取材班として携わった連載「原発漂流」を含む特集「東日本大震災10年」は2021年度新聞協会賞受賞。自ら中心となって取材執筆した「『企業版ふるさと納税』の寄付金還流疑惑に関する一連の報道」は第29回新聞労連ジャーナリズム大賞、調査報道大賞2025・優秀賞、また個人として第73回菊池寛賞を受賞した。
優秀賞(地方紙・専門紙部門)
長野県石油商業組合「ガソリン価格カルテル疑惑」を巡る一連のスクープ(信濃毎日新聞社)
この作品の推薦理由全国でも突出して高い長野県のガソリン価格について、内部告発を機に、価格調整を指示する音声データを入手し、カルテルの疑いをスクープ。長野県石油商業組合の組織的関与の疑いを伝えた。報道を受けて長野県は組合に調査を指示し、公正取引委員会も独禁法違反の疑いで立ち入り検査した。行政を動かし、国会でも言及されるなど意義は大きい。

須田充登(すだ・みちと)
信濃毎日新聞/記者
兵庫県出身。2005年信濃毎日新聞入社。長野本社報道部(経済、県政担当など)、上田支社、佐久支社、岡谷支局を経て、2025年4月から東京支社報道部。

小松英輝(こまつ・ひであき)
信濃毎日新聞/記者
長野県出身。2004年信濃毎日新聞入社。佐久支社、白馬支局、飯田支社などを経て、2020年から長野本社報道部の経済担当。22年4月から経済キャップ。
優秀賞(映像部門)
QAB報道特別番組「誰のために島を守る〜自衛隊配備 その先に〜 」(琉球朝日放送)
この作品の推薦理由台湾有事を念頭に南西諸島への自衛隊配備が進む中、住民の対立や葛藤を描いたドキュメンタリー。かつて台湾との交流で自立した沖縄県の与那国島は、自衛隊誘致を巡って島民に深い溝が生まれた。「国防は誰のためか」と問いつつ、賛否の中で未来を模索する島民の声を伝えている。安全保障政策が沖縄に及ぼす影響を日本人に問う作品だ。

塚崎昇平(つかざき・しょうへい)
琉球朝日放送/報道制作部
1991年、大分県生まれ。琉球新報記者を経て、2022年から琉球朝日放送報道制作部。ディレクターを務めた報道特別番組「誰のために島を守る 自衛隊配備 その先に」(2024年)は、自衛隊配備が進む与那国島の人々の葛藤を丹念に描き、日本民間放送連盟賞テレビ報道優秀賞と石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞(草の根民主主義部門)奨励賞を受賞。
奨励賞(全国紙・NHK部門)
教員性犯罪公判 横浜市教委による傍聴阻止を明らかにした一連の報道 (共同通信・東京新聞)
この作品の推薦理由教員の性犯罪事件の公判に多数の職員を動員し、第三者の傍聴を妨害していた横浜市教委。共同通信と東京新聞の記者は、傍聴席の不自然な満席に違和感を抱き、それぞれが取材で組織的動員を突き止めた。市教委は妨害を認め、謝罪。記者が違和感を見過ごさず、取材で事実を暴いた調査報道の手本となるスクープだった。

團奏帆(だん・かなほ)
共同通信/文化部記者
2011年入社。出版社への転職を経て、17年から再び共同通信社記者。これまでに高松、広島、前橋支局、札幌支社、横浜支局で勤務。報道時は横浜支局の在籍で裁判や検察など司法を担当していた。

三吉聖悟(みよし・しょうご)
共同通信社/横浜支局次長
2005年に入社。佐賀、神戸支局を経て09年から社会部。警視庁、警察庁、気象庁などを担当し、2024年2月から現職。

森田真奈子(もりた・まなこ)
東京新聞(中日新聞東京本社)/社会部記者
2015年入社。岡崎、大津、横浜支局を経て25年から社会部。人権問題やジェンダーなどが主な関心。フリーランス配達員の労働問題や、学生時代に留学した韓国、朝鮮半島に関わる記事も多く書いてきた。「傍聴ブロック」問題報道では、2024年「メディア・アンビシャス」活字部門メディア賞も受賞。
奨励賞(地方紙・専門紙部門)
ホームレスは、どこへ行った―岐阜の現場から―(岐阜新聞)
この作品の推薦理由岐阜市で統計上は「ホームレスはいない」とされたことの疑問を出発点に貧困問題を深く取材し、生活保護の”水際作戦”が行われてきた疑いや、道の駅で車上生活をしている人たちがいることを浮かび上がらせた。報道は市議会でも取り上げられ、生活困窮者の支援者をして「市役所が変わった」と言わしめるほど、行政を動かしている。

山田俊介(やまだ・しゅんすけ)
岐阜新聞社/報道部記者・遊軍担当
1987年岐阜市生まれ。2012年に岐阜新聞社入社。ひだ高山総局、羽島支局を経て、17年から報道部所属。岐阜市政、司法、県警担当などを経験し、現在は遊軍担当。精神疾患の当事者と向き合う「ドキュメント警察官通報」など、福祉分野の連載を手掛けてきた。社会福祉士を目指して在学中。岐阜新聞ポッドキャスト「ききかぢ」でパーソナリティーを務める。

坂井萌香(さかい・もえか)
岐阜新聞社/報道部記者・写真担当
1997年生まれ。長野県出身。2020年に関西の新聞社に入社後、警察担当と写真部を経験し、23年3月に岐阜新聞社に入社。中学生のときから大好きだった書道を学ぶため、大学時代を岐阜で過ごす。「ホームレスは、どこへ行った」の取材や写真を担当する。
奨励賞(独立メディア・雑誌・フリーランス部門)
屋久島町政をめぐる一連の調査報道/町長交際費問題、補助金不正請求事件など(屋久島ポスト)
この作品の推薦理由人口1万1000人の鹿児島県屋久島町の市民メディア「屋久島ポスト」は、報道機関の監視が届かない危機感から立ち上げられ、町長の交際費問題や補助金不正など、町政を監視する骨太な調査報道を発信している。怪文書を配られるなどの妨害を受けながらも報じ続ける姿勢は、高い評価に値する。

武田剛 たけだ・つよし
市民メディア「屋久島ポスト」共同代表
1967年生まれ。20年勤めた朝日新聞では、写真記者や編集委員として南極や北極で環境取材をしたのち、2012年に退職。世界遺産の屋久島に移住して自然環境をテーマに取材を始めたが、町役場も覗くと不正が次々と発覚。町幹部の旅費不正精算では230万円超が着服され、補助金不正請求事件では国が1668万円の返還命令を出し、さらに町長は交際費で国会議員に高額贈答も。環境取材どころではなくなり、住民有志と調査報道を続けている。

鹿島 幹男 かしま・みきお
市民メディア「屋久島ポスト」共同代表
1953年、屋久島生まれ。鹿児島本土の工業高校を卒業後、大阪の空調機器メーカーに就職。エアコンの総合組み立てを担当するかたわら組合活動を続け、組合幹部として8年間にわたり約2000人の組合員をまとめた。定年後は島へ戻ったが、2019年末に発覚した町長らの出張旅費不正精算事件をきっかけに住民団体を結成し、約30人の同志と町幹部を追及。2021年には屋久島ポストを創刊し、屋久島町政を監視する調査報道を続けている。
大賞
NHKスペシャル「冤罪の深層~警視庁公安部・内部音声の衝撃」(NHK)
この作品の授賞理由重大な冤罪を生んだ公安捜査に対し、継続取材を続け、新たな事実、中でも音声を入手したことは特筆に値する。これまで2回の番組の上に、さらに第3回目を成し遂げた価値は高い。
※「NHKスペシャル「冤罪の深層~警視庁公安部・内部音声の衝撃」(NHK)」については、12月7日の登壇はありません。
参加チケット購入
お申し込みをご検討いただきありがとうございます。
以下の注意事項を遵守頂くことが参加条件となりますので、ご一読の上お申し込みください。
注意事項
- 本フォーラムは、記者、編集者、ディレクターなどが報道実務のスキルと知識を高めるため学び、話し合う場です。その趣旨と異なる目的では参加できません。申し込み後でも参加をお断りする場合があります。
- 主催者による円滑な進行に協力し、その指示に従ってください。
- 主催者や講師によるオフレコの指定があった場合は遵守してください。
- フォーラムの趣旨に反する行為や、進行の妨げとなる行為があった場合、主催者の指示に従って頂けない場合は、やむを得ず退出していただく場合があります。
- 講師の取材、出張などやむを得ない事情により、内容が一部中止、変更される可能性がありますことをどうかご理解下さい。
- オンライン配信は予定していません。
- 参加人数に上限を設けております。上限人数に達し次第申し込み受付を終了いたします。
リアル参加 チケット購入
上限人数に達したため申込受付を終了いたしました。
リアル参加(5,500円/1名)
リアル参加(5,500円/1名)+継続寄付1口(3,000円)
リアル参加(5,500円/1名)+継続寄付2口(6,000円)
リアル参加(5,500円/1名)+継続寄付3口(9,000円)
※※お申し込み時のメールアドレス間違いにご注意ください※※
お申し込みをいただきましたら、ご登録のメールアドレスに以下のメールが届きます。
①お申し込みほどなく「クレジット決済のお知らせ」メール
② お申し込み後一週間以内に「参加についてのご案内」メール(こちらは手作業のため時間を要することをご理解下さいませ)
なお、入場に際してこれらのメールのコピーなどが必要ということはありません。お申し込みのお名前・ご所属を受付で確認致します。
誤ったメールアドレスを登録なさったため、メールが届かなかったという事例が、報告されています。お申し込みの際は、メールアドレスを十分にご確認の上、お申し込みくださいますようお願いいたします。
メール配信エラーになる例
・メールアドレスの誤入力、タイプミス
・記入文字の全角及び半角の間違い
・文字抜け
・大文字・小文字の間違い
お申し込みをされたにも関わらずメールが届かない方につきましては、大変お手数ですが、事務局へご連絡ください。(迷惑メールに分類されることもありますので、念のため「迷惑メールフォルダ」もチェックいただけますと幸いです)